尿道炎は尿道にバイ菌が侵入し炎症が起きてしまう状態です。「排尿時の痛み、違和感」や「下着に膿が付着する」などが典型的な症状です。
成人男性では性行為が原因となることが多いでしょう。バイ菌の種類は様々です。具体的な名前だと、クラミジア、淋菌、カンジダなどはよく耳にすると思いますが他にも多くのバイ菌が考えられます。尿や尿道分泌液(膿)を調べると原因となるバイ菌がハッキリすることが多いですが必ず同定できるとは限りません。
状況に合わせて、経口薬や点滴で治療すれば完治することがほとんどです。
しかし、治ったと思って安心するのはまだ早いのです。
ここで注意していただきたい2つの事項があります。
1) 尿道炎の後に慢性前立腺炎
尿道炎は治ったはずなのに排尿時の違和感、残尿感、股の奥の不快感が出現することがあります。これは、尿道の奥にある前立腺に炎症を起こしている可能性が高いです。
慢性前立腺炎として精密検査や治療が必要となります(慢性前立腺炎をご参照ください)。
2) ほかの性行為感染症は大丈夫?
性行為によって感染するバイ菌は1種類だけとは限りません。また、尿道炎だけとも限りません。
エイズ(HIV)、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などは症状出現までの時間や症状もいろいろです。これらは採血によって調べることが出来ます。
感染したかも?と推測される日から少し時間をおいて検査することをおすすめします。
※早い時期(感染してから3か月以内)に採血検査を受けた場合、本当は感染しているのに、陰性(=感染していない)と判定される場合があるので注意が必要です。