泌尿器のがん|おはな泌尿器クリニック|吹田市千里山の泌尿器科

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泌尿器のがん

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前立腺がん

泌尿器のがん

前立腺がんは、60歳以上の男性では最も多いがんの一つです。
早期に発見すれば治癒することが可能なので早期発見は大切です。
診断時には既に周囲にひろがっていたり、転移を認めることもあります。
近くのリンパ節や骨に転移することが多いですが、肺、肝臓などに転移することもあります。多くの場合比較的ゆっくり進行します。
早期がんは、手術や放射線療法で完治が望めます。早期がん以外でも、治療選択肢が増えてきています。

前立腺がんは、早期には自覚症状がほとんどありませんが、がんが進行すると次のような症状が現れます。

  • 尿が出にくい、ちかいなど前立腺肥大症と似た症状
  •  排尿時の痛み
  •  尿に血が混じる

前立腺がんになりやすい人はどんな人でしょう。
特に家族に前立腺がんの患者がいる人は注意が必要です。父親や兄弟が前立腺がんの場合リスクが2倍、2人以上いる場合は5〜11倍に跳ね上がることがわかっています。
また、高齢者の発症率が高いことから、加齢も強く関わっているとされています。
その他、近年の食事の欧米化(赤身肉や乳製品などを多く摂取)も一因と考えられています。

先ずは採血で「PSA」という前立腺がんのマーカーを測りましょう。その他、直腸診、超音波検査(エコー)、MRI検査などを総合的に評価して前立腺がんの疑いがあれば、前立腺生検(組織を一部採取して顕微鏡で調べます)を行います。
前立腺がんと診断された場合、がんの広がりや転移の有無を画像検査で調べます。
がんの広がりや転移の状況で治療方法が異なることがあります。

膀胱がん

膀胱がんは、90%以上は、膀胱の内側をおおう尿路上皮にできる「尿路上皮がん」です。
尿路上皮がんは、がんが膀胱の壁にどのくらい深くまで及んでいるか(深達度=根の深さ)によって、筋層非浸潤性がんと筋層浸潤性がんに分類され、治療方法が異なります。
膀胱がんは、リンパ節、肺、肝臓、骨などに転移することがあります。
膀胱がんになりやすい人はどんな人でしょう。
発生率は男性が女性の3倍と言われ、女性よりも男性がなりやすいとされています。また、60歳以上の高齢者や喫煙者、染料や特殊な化学薬品を扱う職業の方もなりやすい傾向があります。

膀胱がんによく見られる症状として次のものが挙げられます。

  • 痛みを伴わない血尿
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 尿が残る感じ
  • 切迫した尿意
  • 尿が出にくい
  • わき腹、腰、背中が痛む
  • 足がむくむ

まずは尿検査を行い、尿の中に血液やがん細胞が含まれているかどうかを確認します。さらに、超音波検査(エコー)や膀胱鏡検査を行い、がんであることがわかった場合には、転移の有無や膀胱内のがんの深さや広がりを確認するため、CT検査やMRI検査などの画像検査を行うこともあります。膀胱がんの確定診断のためには、治療を兼ねたTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術=お腹を切らずに内視鏡で腫瘍を切除)を行います。
以上により、膀胱がんの病期(ステージ)が決定され、追加治療や定期検査などの選択肢が決まります。

腎盂・尿管がん

腎実質でつくられた尿は腎盂に集まり、排泄のため尿管を通って膀胱へと送られます。
腎盂と尿管は上部尿路と呼ばれ、ここにできるがんは「腎盂・尿管がん」という1つのグループとして扱われます。
上部尿路も膀胱と同じように尿路上皮と呼ばれる粘膜でできています。この細胞から発生するがんを尿路上皮がんといい、腎盂・尿管がんのほとんどを占めます。
尿検査、超音波検査(エコー)、CT検査、MRI検査、特殊なレントゲン検査などを施行します。
診断がつかない場合、尿管鏡検査を追加します。
手術において膀胱と違う点があります。今のところ、経尿道的切除(お腹を切らずに内視鏡で腫瘍を切除)が確立されていないことです。がんのある側の腎臓と尿管を腹腔鏡手術で摘出することが一般的です。

腎細胞がん

腎臓には、大きく分けて2つの部分があります。尿を作る部分と尿が集まり流れていく部分です。「腎細胞がん」は、尿を作る部分(腎実質)から発生したものです。同じ腎臓にできたがんでも、尿が集まり流れていく部分(腎盂じんう)から発生したものは「腎盂がん」と呼ばれ、腎細胞がんとは区別されます。腎細胞がんと腎盂がんでは、がんの性質や治療法が異なります。一般的に「腎がん」とは腎細胞がんのことをいいます。

 

腎がんによく見られる症状として次のものが挙げられます。

  • 痛みを伴わない血尿
  • 背中・腰の痛み
  • 腹部のしこり
  • 足のむくみ
  • 食欲不振、吐き気
  • 便秘
  • おなかの痛み

 

腎がんには、特徴的な症状がないため、小さいうちに発見されるものがほとんどです。肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎がんが見つかることも少なくはありません。腎がんでは、CT検査、超音波検査(エコー)、MRI検査の画像検査で診断します。画像検査で診断ができない場合には生検(組織を一部採取して顕微鏡で調べます)を行うことがあります。血液検査は、全身状態や腎臓の機能を調べるために行います。

腎がんになりやすい人はどんな人でしょう。肥満や高血圧の人は多くのがんができやすいと言われています。腎がんでも同様の関連が報告されています。その他、特定の遺伝子の変異との関連も解明されてきています。

腎がんは一般的には放射線治療や抗がん剤は効きにくいです。手術、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤などが選択肢となります。大きさや転移の有無によって治療方法を選択します。組み合わせて治療することも増えてきました。手術には、がんをくり抜く腎部分切除術と腎臓ごと摘除する腎摘除術があります。ロボット手術が増えています。

精巣がん

精巣がんは精巣にできる悪性腫瘍です。10万人あたりの発生率はおよそ1人と決して多くはなく、男性の全腫瘍の1%程度です。20〜30歳代の男性においては最も多い悪性腫瘍といわれ、若年者に多いことが特徴です。

精巣がんと鑑別を要する病気として次のものが挙げられます。

精巣上体炎

陰嚢内に硬いしこりを触れます。感染症なので急性期には尿中に白血球を認めたり、痛みや発熱などの症状を伴ったりすることが多く鑑別可能ですが、慢性期には診断に苦慮することもあります。

精巣炎

炎症所見が弱いものや、結核性のものなど注意が必要です。

陰嚢水腫、精液瘤

透光性検査や超音波検査(エコー)で容易に鑑別可能です。

精巣がんによくみられる症状として次のものが挙げられます。

  • 痛みを伴わない陰嚢(玉袋)の腫れ
  • 痛みを伴わない睾丸のしこり

精巣がんになりやすい人はどんな人でしょう。
赤ちゃんがお母さんのお腹の中で成長する時、精巣はお腹の中から陰嚢へ移動します。
停留精巣とは、精巣が陰嚢内に移動できずお腹の中に残っている状態です。
治療の有無に関わらず一般男性に比べ精巣がんになりやすいと言われています。
また、片側の精巣がん患者さんが、反対側に精巣がんを発生する頻度は20倍以上とされています。
その他に、家族の病歴や外傷なども精巣がん発生のリスクとされています。

精巣がんを強く疑う場合、治療と診断の目的で精巣を摘除します。顕微鏡検査で精巣がんのタイプが診断されます。
同時に転移の有無をCT検査やPET検査などで調べます。採血で腫瘍マーカーも測ります。
顕微鏡検査によるタイプ、転移の有無、腫瘍マーカーの値によってその後の治療方針が決まります。
抗がん剤治療、放射線治療、手術(リンパ節摘除)などを組み合わせることが多いです。
精巣がんは固形がんのなかでは完治を望める可能性が他より高いがんと言われていますが、稀に難治性があります。